オランダのColorFabb社が開発したXT-コポリエステル樹脂が入荷しました。
この樹脂はイーストマン社が開発したアンフォラ(TM)という樹脂げベースとなっている新しい樹脂です。

今までのABS樹脂には強度、加工性は良いが、大きな物を造形すると、その熱収縮特性からベッドの底部から反り上がったり(ラッピング現象)、ひどい時は造形が中断してしまうなどの問題がありました。またPLA樹脂は造形精度は高くて大きなものを造形したりは出来るのですが、熱に弱く、また造形後の加工性は正直、サンドペーパやカッターで切ったり、削るには硬くて加工が大変です。

ColorFabb社はこの問題を解決するために同社の高い技術により新しいXT-Copolyester樹脂フィラメントを開発しました。この樹脂はABSの強度、強靭性を持ちながら、PLA樹脂のように造形精度を維持しながら、熱収縮特性は最小限に抑えてあります。また高温特性にも優れ、温度高い車内でも変形しないそうです。

今回はこの樹脂が入荷したので、いぅたいどんなものなのか検証してみました。
比較のために手元にあったA社製のABSとPLA樹脂と、B社製のABS樹脂とPLA樹脂の比較をしてみました。

まずは、10mm、20mm、30mm、40mm、50mmと間隔がだんだん大きくなるような小さなブリッジ形状のものをSTL化します。これを先ほどの各社のABS、PLA,、XT-コポリエステルでわざと逆ブリッジになるような形で造形してみました。温度はPLAは215℃、ABSは240℃、XT-コポリエステルは250℃で出力してみました。
ベッド温度はABSは70℃、PLAは45℃、XT-コポリエステルは70℃で出力してみました。

その結果が下図になります。
hikaku


こうして比較すると、一目瞭然でA社製、B社製共にABSはやはりかなり反ってますね。
やはり熱収縮の影響は出ています。その点、PLAはA社、B社ともに反りはかなり少ないようです。
Colorfabb社のXT-コポリエステルは見事に熱収縮をおこしていません。

次に一番重力の影響を受ける50mmのところを比較してみました。
いずれの樹脂もサポート材なしでの比較です。

まずはA社のABSですが、やはり、糸が重力によって垂れています。
ABS_A


次にB社のABSですが、こちらは部分的に重力の影響を受けているようです。

ABS_B

A社のPLAは溶解しているときにはかなり粘度が落ちるので、ABSよりヒゲや糸引きが多いですね。
PLA_A


こちらは写真だと一見綺麗に見てるんですが・・・。触るとギザヒザで、中央部がやはり膨らんでいます。
PLA_B


最後にXT-コポリエステルですが、やはり重力により影響はありますが、上記の中では一番綺麗に出来ました。このような使い方はあまりしないとは思いますが、やはり熱収縮が少なく、優れていることが分かります。
XT-Copolyester


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