SOLIDYARDブログ

3Dプリンタやお手軽な無料3D-CAD関連のブログです。

カテゴリ: 樹脂/フィラメント

さて、今回ご紹介するのはPLA、ABS樹脂以外の素材でできたサンプルです。
入手したのは

1.NinjyaFlex
2.ナイロン618
3.ナイロン645

といわれるものです。

NinjyaFlex

フェナー・ドライブ社が開発したニンジャフレックスは非常にユニークなフィラメントです。素材そのものが柔らかいので、ボーデンタイプ・エクストルーダーを使用したウルチメーカーや3DVISON-XTで使用できるのか心配でしたが、結果的には問題なく使用できました。ただ粘り気があるので、出力速度は30mm/sec以下にした方がよい結果が得られます。試すだけであれば、1本丸ごと買わなくても切り売りでどうぞ。
ウルチメーカーでもベッドにマスキングテープを貼れば出力出来ます。

3DVISON-XTで出力

温度は235℃〜245℃ぐらまで上げる必要ああります。ガラステーブルであれば温度は45-50℃位でも問題なさそうでした。完成したタコは文字通りグニャグニャですが、ちゃんと元の形に戻ります。

 
 Nylon618、645

こちらはTaulman3D社のナイロンフィラメントです。
ナイロン618ナイロン645の違いはナイロン618がやや柔らかく乳白色なのですが、ナイロン618は強度的には ナイロン645に比べて強度はやや劣りますが、その分弾性、柔軟性に優れます。
ナイロン645はナイロン618と比較すると約1.3倍程度強度に優れますが、柔軟性や弾性はその分、やや618に劣ります。高強度のナイロンを必要とする3D成形品を出力造形するのに最適です。そのまま成形後すると半透明になります。ナイロンは染料で染めることが可能です。
ナイロンは強度がありながらも適度な弾性もあり軽量なので、いろんなものが作れます。


ナイロン645を出力中。


ナイロン618を出力中
 

こん〇〇は。

熱溶融樹脂積層式3Dプリンタは主にABS樹脂とPLA樹脂が使用出来ますが、ABS樹脂は
樹脂の特性上、熱収縮しやすいので、ヒーターベッドのついたプリンタでないと大きなものを
出力すると淵から反り返り剥離することがあります。

もっとも、プリンタにヒーターがあっても室温が低いと収縮し易くなるので、ベッドにヒーターが
あってもできれば、プリンタの側面をダンボールやベニヤ板あるいかアクリル板なので囲って
周囲の熱が急激にさがらないようすることをお勧めします。

さて、話は変わりますが、今日はあるお客様に比較検討用に樹脂の違いによる成形物の違い
があるのか聞かれましたので、実験してみました。

使用した材料はABS無着色品、ABS着色品(ホワイト)、PLA樹脂です。

データーはThingiverseのrubber duck ラバー・ダックといういわゆるアヒルのフィギュアです。

アヒルにはオーバーハングやら、曲面などがあるので指定されたものです。

早速、3Dプリンタでそれぞれ出力してみました。

条件は
1)エキストルーダー温度:220℃ 
2)Z軸解像度:0.1mm(100µ)で出力
3)ベッド温度:90℃
です。

出力した結果は下記の通りです。
IMG_1903

上図の写真のように色も違いますが、よく見ると樹脂により表現が違いますね。

まず、最初にABS樹脂無着色の樹脂です。
abs01

縞模様はあるのですが、ノッペリした感じです。
この樹脂はフィラメントの時は光沢があったのですが、造形したものは光沢がありません。

 2)ABS樹脂ホワイト
abs02
 先ほどの無着色樹脂よりコントラストが高いというか、線が少し目立たない
感じですね。光沢があるので、線が目立つように頭頂部分が見えますが、
全体としてはあまり目立ちません。

3)PLAホワイト
pla01
この形状の再現性だけとれば、PLAの方が明らかにABSを上回っているよう
に思えます。
ただ、これは温度も深く関係してきます。私の場合、PLA樹脂の温度が適切な
温度よりやや高かったようです。

ただ、ご覧頂いてわかるのですが、光沢があると積層の断面が目立って、
一見解像度が低いように写真では見えてしまいますね。

たた、ABSはヤスリ掛けやカッターなどで後加工が割と簡単なんですが、
PLAは硬化後は固いので後加工に少し手間がかります。
とは言っても、製作する人にとっては感じ方も人それぞれじゃないかと思います。
実際はPLAでも紙やすりで加工もできます。ただ、カッターでは厚さによっては切れにくい場合もあります。

最近はPLA樹脂もいろいろな種類(SoftPLA、弾性PLA、ProPLA)などPLA樹脂にもグレードとか
種類が増えて来ましたね。いずれ紹介したいと思います。




 

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